シェイクスピア学会

45回シェイクスピア学会

 

プログラム

資 料

 

 

 

2006年10月8日(日)/9日(月・祝日)

会場:東北学院大学 土樋キャンパス

980-8511 仙台市青葉区土樋1丁目3-1)

 

主催:日本シェイクスピア協会


 

案内

 

²        受付は8号館1Fロビーで開会の30分前から始めます。本年度会費未納の会員と新入会員の方は8,000円(学生会員は5,000円)をお支払いください。

 

²        今回は事務局を通して宿泊の斡旋は行いません。混雑が予想されますので、早めに宿泊を予約されることをお勧めします。

 

²        8日(日)の懇親会にご出席になる方、9日(月・祝)のお弁当を注文なさる方は、同封の申し込み用紙でお申し込みください。

 

²        特別講演とパネル・ディスカッションは一般公開です。研究発表、セミナーへの参加は会員に限られますが、会員の紹介があれば一般の方も出席できます。

 

²        研究発表およびセミナーに参加される方へ

ハンドアウト等の資料は、あらかじめ充分な枚数をご用意ください。不足分が出ても会場校で複写することはできません。また、資料を前もって会場校へ送ることは、混乱を生じる場合がありますのでご遠慮ください。

 

 

 

日本シェイクスピア協会

101-0062 東京都千代田区神田駿河台29 研究社ビル501

Phone/Fax 03-3292-1050   振替口座 00140-8-33142

ホームページでも学会についての情報がご覧になれます。

 

 

 

 

 

 


プ ロ グ ラ ム

 

 

108日(

会場校の都合により、日曜日午前中は構内に立ち入ることができませんので、ご注意下さい

 

13:308号館5F押川記念ホール]

開会の辞      日本シェイクスピア協会会長            楠 明子

挨拶        東北学院大学文学部長               遠藤健一

  フォーラム

 

  委員選挙について

委員選挙の投票を、学会会場で受け付けます。

投票受付時間は108日(日)の1300より1530までです

8号館2F入口学会受付横に、委員選挙関連受付および投票所を設置します。

委員選挙関連受付にて投票用紙を受け取り、受付時間内に投票を行ってください。

学会開会式会場の押川記念ホール(8号館5F)を、委員選挙投票用紙記入場所としてご利用ください。

               委員候補者推薦会議

                  議長 金子雄司

 

 

  


14:3017:30 研究発表

 

1室[6号館621教室]

司会:筑波大学教授 加藤行夫

  1.「近代」に絡め取られたイアーゴー

                              志學館大学講師  杉浦裕子

  2.サイファーとしての女性という寓話

            ―『オセロー』における身体、ジェンダー、流動性

明治大学教授 野田 

 

     司会:九州大学教授 村井和彦

  3.マルヴォーリオの病

北九州市立大学 非常勤講師 渡邉晶子

  4.『じゃじゃ馬馴らし』におけるペトルーキオの財産獲得の方法とその意味すること

広島大学教授 中村裕英 

 

第2室[6号館631教室

司会:秋田大学教授 佐々木和貴

1.メアリアムの変奏―『ミラノ公爵』と『メアリアムの悲劇』

東京大学大学院博士後期課程 吉田季実子

2.『黒の仮面劇』にみる主催者アナの主体性

東北学院大学非常勤講師 尾坂純子

 

司会:愛知教育大学助教授 南 隆太

3.想像の王権―The Widow Ranterにおける不在の権威について

北見工業大学助教授 福士 航

 

 

第3室 [6号館632教室]

司会:九州大学教授 徳見道夫

1.Macbethにおける魔女の表象

学習院大学大学院博士後期課程 松岡浩史

2."Ah, Mephistopheles!"

Gender Reversals in Christopher Marlowe's Doctor Faustus

北里大学教授 和治元義博

 

 

19002100  懇親会

 

  会場:仙台国際ホテル

  〒9800021 宮城県仙台市青葉区中央461

  TEL0222681111

  (東北学院大より徒歩で役15分)

 

  会費:7,000


 

 

 

 

109 (月・祝日)

 

10001130 特別講演 [8号館5F押川記念ホール]

司会:東京女子大学教授 楠 明子

 

'Enter the ghost in his night-gowne': the corpus or corpse of Shakespeare now

Professor Kathleen McLuskie

Director, The Shakespeare Institute, University of Birmingham

 

This lecture explores the role of Shakespeare in present day English culture. Shakespeare is the best known writer in England and the English speaking world and he appears both as an icon of high culture, as the source of, often iconoclastic, representation in the markets of contemporary tourism, and as the core repertory of theatre companies everywhere.

In 2006-7, the reputation of Shakespeare has been re-energised by the Royal Shakespeare Company Complete Works festival that has been taking place in  Stratford-upon-Avon between 2006-7. That festival celebrates a modern Shakespeare who is available for adaptation and reinterpretation, who is part of global culture and who is the source and the locus of theatrical energy that defines the high culture of our time.

The relationship between that particular twenty-first century version of Shakespeare and the writer whose Complete Works were published in Folio in 1623 is a complex one. Understanding it requires us to re-interrogate Ben Jonson's assertion that the Complete Works was 'for all time' and to see the connection between the Folio text and Shakespeare's position in the commercial theatre of his day.

 



11:3013:00  昼休み

8号館2F入口受付にてお弁当をお受け取りください。一般会員控室は6号館645、646教室です。



13:0016:00  セミナー

 

セミナー1 [8号館841教室]

「第2次ブラックフライアーズ座」をめぐって――あるいは、「グローブ座」炎上

コーディネーター:村上 健(津田塾大学教授)

メンバー:鵜沢文子(東京女子体育大学専任講師) 住本規子(明星大学教授)
鳴島史之(北見工業大学助教授) 増田珠子(駿河台大学専任講師)
森祐希子(東京農工大学教授)

 

セミナー2 [8号館842教室]

シェイクスピアと異文化プロダクション

コーディネーター:浜名恵美(筑波大学教授)

メンバー:内丸公平(東京大学大学院博士後期課程) Ian Carruthers(筑波大学助教授)
河合祥一郎(東京大学助教授) 小林かおり(同朋大学助教授)
近藤弘幸(東京学芸大学助教授) 阪本久美子(日本大学助教授)
平辰彦(秋田栄養短期大学助教授) 本橋哲也(東京経済大学教授)

コメンテイター: 喜志哲雄(京都大学名誉教授) Yong, Li Lan(シンガポール国立大学助教授)

※セミナーで言及する映像を、前日の10月8日(日)16:30から18:00まで、

8号館842教室で上映する予定です。

 

セミナー3 [6号館631教室]

エリザベス1世の表象

     コーディネーター:篠崎 実(千葉大学助教授)

メンバー:米谷郁子(埼玉工業大学専任講師)清水徹郎(お茶の水女子大学助教授)

 末廣 幹(専修大学教授) 竹村はるみ(姫路獨協大学助教授)

 間瀬裕子(学習院大学非常勤講師)

 




【資  料】

研究発表要旨

 

「近代」に絡め取られたイアーゴー

志學館大学専任講師 杉浦裕子

自らの意志と実力で運命を切り開くことを主張するイアーゴーの近代的個人主義は、彼の強烈な自我意識、更には自分の人生の意味の追求へと繋がる。オセローの「旗手」という、他人の記号表現になることに対するイアーゴーの嫌悪感に着目するとき、 "honest Iago" を装いながら悪事を働くことの下部に、「悪党」のペルソナをつけることによる新たな自己のドラマの呈示と歪んだ形での観客への自己アピールという、もう一層別の演技が見え隠れする。独白を多用しながらも、観客への自己開示の程度を巧みに調節するイアーゴーは、犯罪行為そのものよりも、その表現の仕方と観客による認識を重視した劇場型犯罪人であると言える。

本発表では、イアーゴーの演技の多重性を、演技と行為に関する社会学的研究も考慮に入れながら分析し、自我の自立性を信じた近代的個人主義者イアーゴーが結局は近代のパラドクスと近代的観客によって絡め取られていく様子を見ていく。

 


サイファーとしての女性という寓話

——『オセロー』における身体、ジェンダー、流動性

明治大学教授 野田 学

本論は、マスキュリニティが流動化していく仕組みを、シェイクスピアの『オセロー』の中に寓話として読み取ろうとする。本論が見いだそうとする寓話とは、ジュディス・バトラーにおけるジェンダー論の展開に顕著に見られる「実体としての女性」のサイファー (cypher) 化(ゼロ化、暗号化、メタ表象化)の過程にまつわるものである。このサイファー化の過程とは、本来先行する記号システムを補完するために生じたメタ記号(数に対する「ゼロ」、セックスに対する「ジェンダー」)が、その流通と流動性により、先行システムを実質的に凌駕してしまう過程のことだ。本論は、オセローの身体の流動化をもたらす経緯となるさまを見ることにより、この寓話の成立過程を跡づけることを目的とする。



マルヴォーリオの病

北九州市立大学非常勤講師  渡邉晶子

Arthur GoldingのMetamorphosesからTwelfth Nightの主要人物は大きく影響を受けている。Narcissus挿話を切り口としてTwelfth Nightを読むことは、Metamorphosesとシェイクスピアを比較して論じられ始めたときから存在する古典的な読み方といえる。本発表では、Oliviaの台詞 "you are sick of self-love" を手がかりに、MalvolioをNarcissusとその挿話とに比較し、Twelfth Nightの中でMalvolioが<客体>から<主体>へと逆転する転機にNarcissus挿話が関連していることを証明する。鮮烈なイメージを観客に残すMalvolioの人物設定に、Narcissus挿話が大きく貢献していることを示すものである。

 

 

『じゃじゃ馬馴らし』におけるペトルーキオの財産獲得の方法とその意味すること

広島大学教授 中村裕英

本発表は、『じゃじゃ馬馴らし』をフェミニズム批評によらずむしろ歴史主義的な視点から解釈していく。ペトルーキオがキャタリーナと結婚して多額の持参金を手に入れただけでなく、ビアンカの求婚者たちからもお金をせしめ、劇中でもっともお金を得られる結果になっているこの劇の構造を、インフレで貧しくなっていた貴族たちや土地所有者、さらには貴族の次男、三男の経済状況と比較しながら、その意味を考えていく。さらに、彼にとって「正式な結婚式」がどのような意味を持ち、それを達成するためにいかなる手段を用いているかを、彼の「ことば」に対する意識と当時の修辞学についての考え方を参考にしながら考えていく。最後に、この劇が後の喜劇と大きく違っている点が若者たちの「ことば」に対する姿勢の違いにあることを見ていき、それが最後のキャタリーナの説教の解釈にどうつながるかも考えていく。

 

 

メアリアムの変奏:『ミラノ公爵』と『メアリアムの悲劇』

               東京大学大学院博士後期課程 吉田季実子

 フィリップ・マッシンジャーの『ミラノ公爵』、ならびにエリザベス・ケアリの『メアリアムの悲劇』はいずれも、フラウィウス・ヨセフスの『ユダヤ古代誌』、『ユダヤ戦記』を材源として書かれた翻案作品であることが知られている。当研究発表では、ほぼ同時代に書かれ同一の材源を持つこの2作の翻案作品のプロットを比較し、その中に現れている筆者のスタンスおよびジェンダー観について論じる。男性でかつ職業劇作家であったマッシンジャーの作品では、エンターティメント性を追求しており、異なった時代背景の中で悪党フランシスコが活躍するが、一方でケアリのクローゼットドラマでは悪女サロメがフェミニスト的主張を述べ、自由を獲得しようというサブプロットにも焦点が当てられ、フェミニストとしてのケアリの発言の代償が作品中に盛り込まれていることから、かたやミソジニー、かたやフェミニスト的視点があふれていると言えるのではないか。

 

 

『黒の仮面劇』にみる主催者アナの主体性

東北学院大学非常勤講師 尾坂純子

宮廷仮面劇の伝統的批評は、テクスト解釈の前提に創作者としての主体を想定する。しかし上演を報告するヴェネチア大使が、主催者の王妃アナを "the authoress of the whole"と言及するように、上演は、招待客や出演者の選定、演目の着想などを決定する主催者の主体性の表明の場でもあった。本発表では、こうした上演における主催者の様々な権限に着目し、ジェイムズの妻、アナ王妃が主催した仮面劇テクストを主催者の自己表現の観点から考察する。具体的には、王朝最初のシーズン上演に国王の宮廷に敬意を示した前作『12人の女神たち』とは異なって、アナのジェイムズに対する対抗的なスタンスが顕著に認められるテクスト、1605年上演の『黒の仮面劇』における、宮廷創設時期のアナの主体性を考察する。

 

 

想像の王権――The Widow Ranterにおける不在の権威について

北見工業大学助教授 福士 航

Aphra BehnのThe Widow Ranter, or The History of Bacon in Virginia(1689年初演)は、ヴァージニアという舞台設定のために、同じく「新世界」を舞台としたOroonoko, or, the Royal Slaveとあわせて、おもにポストコロニアル批評から注目されてきた劇である。近年では、フェミニスト批評の立場から劇中の異性装の意味が、また歴史主義的立場から植民地在住の英国人の野蛮性が表象されることの意味が論じられるようになってきた。こうした批評の蓄積を踏まえた上で、本発表では『未亡人ランター』を、ジェンダー的・人種的・階級的に問題を孕む部分に注意を払い、多面的な視点から読み直す作業をしてみたい。その作業を通じて、ひとつには、この劇はベインが演劇において追求してきた主要な問題を興味深い形で提示しており、ベインの劇作法を考える上で重要な作品であるということを確認する。そしてまた、劇中何度となく想起させられる不在の権威を、初演された時期の歴史的文脈に即して考察してみたい。

 

 

Macbethにおける魔女の表象

             学習院大学大学院博士後期課程 松岡浩史

16世紀後半に大陸で繰り広げられた魔女論争、いわゆるボダン=ヴァイヤー論争の争点は、魔女のウィッチクラフトが、物理的に作用力をもつ現象なのか、それとも「魔女」の想像力の中で喚起された幻想に過ぎないのかという問題であった。やや遅れてイギリスにおいても、この論争に影響を受け、争点を同じくする魔女論争が展開されることになる。言うまでもなく、レジナルド・スコットによる『魔女術の暴露』と当時まだスコットランド国王であったジェイムズ6世が物した『デモノロジー』(1597)によるものである。本発表ではシェイクスピアの『マクベス』における魔女(概念)の表象が当時の魔女論争のコンテクストの中でどのように位置づけられるかを検討し、体液・知覚理論上の疾病であるメランコリーとの関連を射程にいれ、テクストにおける魔女(概念)の機能を検証する。またそこから浮き彫りになるマクベス自身の魔女性を、知覚理論の点から明らかにしたい。



"Ah, Mephistopheles!"

Gender Reversals in Christopher Marlowe's Doctor Faustus

                   北里大学助教授 和治元義博

Christopher Marloweの Doctor Faustus (A-text,1604)において、主人公フォースタスは、好色であるという理由でメフィストフェレスに「妻」を要求するが、2人の間で交換される女性は男性のイメージで語られる。同じように、劇後半メフィストフェレスによって呼び出されたヘレンもまたフォースタスによって男性にたとえられる。本発表では、このようなジェンダーの転倒が何を意味するのかを、フォースタスとメフィストフェレスとの関係、ヘレン登場の場面を中心に考察してみたい。

 

 

 

 

Kathleen McLuskie教授 京都セミナーのご案内

セミナータイトル:Reading Macbeth : Culturally and Historically

開催日時:1012日(木)17:3020:00

 

開催場所 : 同志社大学今出川キャンパス 寒梅館6階大会議室

        (京都市上京区今出川烏丸上がる)                                     

交通案内 : JR京都駅から地下鉄国際会館行き、約9分。

         地下鉄今出川駅下車。徒歩3分。

http://www.doshisha.ac.jp/access/ima_access.html

 

 

 

 

 

セミナー指針

 

セミナー1

「第2次ブラックフライアーズ座」をめぐって

――あるいは、「グローブ座」炎上

    コーディネーター:津田塾大学教授 村上 健

1613年6月29日、Henry VIII 上演中の砲声効果による失火で、国王一座の(夏季公演の)拠点である「第1次グローブ座」が炎上焼失するが、それ以後「第2次グローブ座」が再建されるまでの約1年間、この不測の事態を彼らがどのように切り抜けようとしたのか、という具体的な演劇状況に焦点を当てて、「第2次ブラックフライアーズ座」をめぐる諸問題を検討してみたい。

一般的な議論の土台として、「第2次ブラックフライアーズ座」と他の私設劇場(や公衆劇場)との内部構造の比較・国王一座のレパートリー検討等を踏まえたうえで、この危機的時期に初演された可能性の高いFletcher & Shakespeare, The Two Noble Kinsmen と Webster, The Duchess of Malfi を中心に、(特に上演形態の問題を念頭に置きながら)討論を進めることになるだろう。

 

セミナー2 

シェイクスピアと異文化プロダクション

コーディネーター:筑波大学教授 浜名恵美

このセミナーでは、世界各地で行われているシェイクスピア作品のintercultural production(以下ICPと略記)の特色、問題点、可能性などについて、前向きに検討する。翻訳者・演出家・俳優・観客にとって、文化と文化をつなぐ「ほんものの」上演とはどのようなものか? まず、interculturalismとICPに関する理論的検討を行い、現時点での作業仮説と今後の課題を確認する。次に、実践的検討に入る。4月からのセミナーの準備期間中にペーパーや意見交換で扱われた主な作品・演出家・トピックは以下のとおり。鈴木忠志翻案・演出『リア王』『マクベス』の英米露濠における受容。狂言シェイクスピア、2007年上演予定の野村萬斎主演『国盗人』(『リチャード三世』の翻案)。映画『GO』(行定勲監督、『ロメオとジュリエット』の翻案)の分析をとおして東アジアにおける新しいICPの可能性の考察。松岡和子氏をはじめとするシェイクスピアの翻訳および翻訳者の役割。宮城聡主宰ク・ナウカの『マクベス』『オセロ』におけるポストコロニアルな挑戦。蜷川幸雄演出作品の日英における受容の比較および日英文化の舞台上での融合の可能性。能・狂言・歌舞伎などの日本の伝統演劇様式を取り入れた翻案における翻訳の言葉の問題及びシェイクスピアの<語り>のリズムの問題。鈴木・蜷川演出の問題点、クウェートのスレイマン・アルバッサーム作・演出『アル・ハムレット・サミット』との比較。以上の豊富な内容を、セミナー当日はいくつかのテーマに分類して集中的に論じる。論客揃いのため意見が激しく衝突する場面も予想されるが、衝突をこえて、新たな可能性と希望の(再)発見があるように努めたい。

今後、日本・アジア・その他の各地で、ICPの批判的かつ生産的な取り組みがますます強く期待される。シェイクスピアおよびイギリスの劇団や演出家の「権威」から解放され、だがそれら(および万国の作家・劇団・演出家)への敬意を忘れずに、文化と文化をつなぐ共創的活動が期待される。シェイクスピア研究に開かれた新たな地平に建設的な批判精神と期待感をもって臨みたい。

なお、フロアの方々に映像をご覧いただき楽しめるセミナーとしても工夫したい。また質問・意見などもいただき有益な議論の場としたい。

 NB: Seminar 2: Shakespeare and Intercultural Production will be conducted mainly in English, and the discussions will be accessible to non-Japanese and English- speaking members.

 

セミナー3 

エリザベス1世の表象

コーディネーター:千葉大学助教授 篠崎

 処女王として近代初期イングランドに君臨したエリザベス1世は、肖像画や宮廷エンターテインメント、自身の演説などといった公的媒体のみならず、大衆演劇や詩、散文などの文学作品や、宮廷人たちの日記や書簡のような私的媒体など、さまざまなかたちで表象されている。男性中心的社会のなかの独身の女王という、彼女の君主としての例外性が、そうした表象に特異性や多様性を与えている。Yates、Strongらによる前世紀のエリザベス1世表象の研究が示してきた、宮廷中心の一枚岩的の称揚的なものだけではない、さまざまなエリザベス表象がかたちづくられていたのである。本セミナーでは、エンターテインメント、大衆演劇、詩など文学ジャンルを議論の中心としつつも、こうしたエリザベス表象の多面性を意識して、また政治的・イデオロギー的側面にも目配りを利かせ、多様なエリザベス表象の議論の可能性を模索したい。メンバーが予定している発題の話題は、「1580年代から90年代の文学における妖精女王のモチーフ」、「1590年代の詩における女王像」、「ジョンソンとシェイクスピアの作品におけるエリザベス表象」、「宮廷エンターテインメントと大衆演劇における女王像」、「1590年代後半の諷刺詩における否定的女王像」、「ジェイムズ朝時代におけるエリザベス表象」などである。

 

 


   

 

108日(                             109日(月・祝日

開会式  8号館押川記念ホール      特別講演  8号館押川記念ホール

フォーラム

 

∞∞∞∞∞ 研究発表 ∞∞∞∞∞   ∞∞∞∞∞ セミナー ∞∞∞∞∞∞

1  6号館621教室         セミナー1 8号館841教室

2  6号館631教室                セミナー2 8号館842教室

3  6号館632教室                 セミナー3 6号館631教室

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞       ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

 

懇親会 仙台国際ホテル

980-0021 宮城県仙台市青葉区中央4−6−1

TEL:022-268-1111 (東北学院大より徒歩で約15分)

 

受付・総合案内 8号館2F入口

お弁当受け渡し 8号館2F入口

講師控室 6号館643教室

会員控室・休憩所 6号館645、646教室

大会本部 号館3F1会議室

書籍展示場 6号館642教室

緊急連絡先  日本シェイクスピア協会事務局 03-3292-1050

         また協会ホームページもご利用ください。

 

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